マンション管理における一番の問題は、区分所有者の「無関心」です。
今回は、管理組合の財務状況について触れてみます。
管理組合の財務状況は毎年、管理費会計と修繕積立金会計に分けて、定期総会で前年度決算や次年度予算案として報告されます。
細かい数字は、事前に送付される議案書に載っています。
「管理費会計」では、収入(主に区分所有者が毎月支払う管理費など)と支出(主に管理会社に定額で支払う管理委託費など)がそれぞれいくらあり、差し引きどうなるのか(黒字または赤字)が示されます。
「修繕積立金会計」では通常、収入(主に区分所有者が毎月支払う修繕積立金など)がいくらで、年度末の積立て残高がどれくらい増えたか(増えるか)が示されます。
ただし、大規模修繕工事などを行う年度は、まとまった支出が発生するので、残高は減ります。
こうした数字は、個人でいえば毎月の家計の収支と貯蓄残高にあたるものです。
多くの人は毎月、家計の収支がどうなっていて、貯蓄残高はどれくらいか、チェックしているのではないでしょうか。
分譲マンションの管理組合のお金も、ほとんどは各区分所有者が負担しているものであり、ある意味、家計の収支や貯蓄残高と同じです。
ところが、管理組合の財務状況を多くの区分所有者は気にしていません。
毎年、管理組合の収入と支出が、ざっくりいくらくらいあるのか(例えば、800万円くらいなのか3000万円くらいなのか、など)。
毎年、修繕積立金としていくら貯まっていて、残高はいくらなのか(例えば、毎年500万円くらいずつ増えて、現在は1億円ほど、など)。
みなさんは、すぐ答えられるでしょうか。
家計の収支や貯蓄残高なら、「給料は毎月これくらいで、貯蓄はこれくらい」と多くの人が答えられるはずです。
この感覚をぜひ、管理組合の財務状況についても持っていただきたいと思います。 |