こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろたてるたか)です。
都市部の自治体では分譲マンションについて定期的な調査を行っているケースがあります。
そんな中の一つ、東京都江東区が2015年6月に「江東区マンション実態調査報告書」を公表しました。
http://www.city.koto.lg.jp/kusei/tokei/83706/45532.html
この中から都市部の分譲マンションにおける駐車場と駐輪場について考えてみたいと思います。
今回はまず、駐車場の問題についてです。
この調査では、回答のあった290のマンションのうち駐車場に「空きがある」とするマンションが半数近くにのぼっています。
「空きがある」 45.9%
「不足している」 7.6%
「適切である」 27.9%
「無回答」 18.6%
興味深いのは、築年数の新しいマンションのほうが「空きがある」割合が高いことです。
築5年未満(「空きがある」) 60.0%
5〜9年(同) 63.6%
10〜14年(同) 70.0%
15〜19年(同) 70.7%
20〜24年(同) 52.9%
25〜29年(同) 8.7%
30〜34年(同) 20.4%
35〜39年(同) 26.9%
40年以上(同) 45.5%
これは20年ほど前から、分譲マンションにおける駐車場の設置義務が強化された影響でしょう。
住戸数に対して、一定の割合の駐車場を設けることを地元の自治体が条例などで求めるのです。
しかし、最近は自動車を持たない世帯が増えてきています。高齢になり乗らなくなる人もいます。
今後、分譲マンションにおける駐車場の空きは、ますます増えていくはずです。
問題は、最近の分譲マンションはほぼ100%といっていいくらい、駐車場使用料の一部を管理費会計に組み入れていることです。
駐車場の空きが増えて駐車場利用料が減ると、管理費会計が赤字になります。
駐車場に空きがあるマンションでは至急、駐車場利用料のうちどのくらいが管理費会計に繰り入れられているのか、確認してください。
その上で、駐車場の空きをどうするか、早めに検討を開始すべきです。
検討事項にはもちろん、利用者をどう増やすかということがありますが、当社の経験上、なかなか結論は出ません。
むしろ、管理費会計の無駄や割高な項目を見直し、駐車場使用料からの補てんに頼らなくてもやっていける収支にするほうが簡単です。
間違っても、「管理費を値上げするしかない」と思わないことです。 |