ソーシャルジャジメントシステム 廣田晃崇のマンション管理ブログ 夢はでっかく根はふかく

マンション管理BLOG 夢はでっかく 根はふかく
 
アーカイブ
20190127 第52回
区分所有者の無関心D
 大規模修繕工事を巡る悪質コンサルの問題
20181201 第51回
区分所有者の無関心C
 管理委託費の値上げラッシュが近づいている
20181104 第50回
区分所有者の無関心B
 管理組合の財務状況を知らない
20181014 第49回
区分所有者の無関心A
 長期修繕計画の収支バランスを
 気にしていない
20180930 第48回
区分所有者の無関心@
 修繕積立金の値上げ予定を知らない
20180916 第47回
マンション管理で一番の問題は
 所有者の「無関心」
20180916 第46回
分譲マンションでの民泊をめぐる
 訴訟について
20180817 第45回
分譲マンションにおける民泊新法への対応
20180801 第44回
マンション管理業者の
 「ネガティブ情報」とは?
20180801 第43回
管理会社の多くがリプレイスに積極的!
20180701 第42回
日経が報じた「マンション75%修繕不安」
 の実態
20180701 第41回
最新管理戸数ランキングに見る業界トレンド
20180522 第40回
マンション管理のサポート現場から
 お伝えしていきます
20160228 第39回
「日経ビジネス」の特集記事で
 弊社会長のコメントが紹介されました
20160214 第38回
新しいマンション管理MOOKが発売されました
20160107 第37回
2016年もよろしくお願いいたします
20151114 第36回
横浜市都筑区のマンション問題について
過去のブログはこちら
 
第28回
マンションの新築工事費と修繕工事費
 

こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろたてるたか)です。

東日本大震災の各種復興工事が始まった頃から、建設工事のコストがどんどん上がってきています。
最初は職人などの人手不足が大きな要因でしたが、その後、アベノミクス効果で円安が進んだ影響で建築資材が値上がりし、さらに景気回復とともにオフィスビルなどの建築工事自体も増えているためです。
特にマンションの新築工事費の値上がりは顕著で、この2、3年で2割程度アップしています。

http://www.kensetu-navi.com/bunseki/bukka_shisu/pdf/bukka_shisu_1409.pdf

個別には、もっと高くなっているケースもあるようです。
そこで気になるのが、大規模修繕工事をはじめとする修繕工事費です。
「新築工事費が上がっているのだから、修繕工事費もアップしているのでは?」
とみなさん、思うのではないでしょうか。
しかし、結論からいうと、修繕工事費はあまり上がっていないようです。なぜか?
実は、マンションの新築工事費と修繕工事費は、工事の内容も発注の仕方もかなり違います。
新築工事の場合は、一棟まるまる新しく建てるため全体の工事費が大きくなり、不動産会社が建設会社を競わせて発注します。

しかも、リーマンショック後の景気低迷で、建設会社はどこも受注が減り、新築マンションは数少ないまとまった仕事として赤字覚悟で引き受けていたのです。
現在、マンションの新築工事費が上昇しているのは、安くなりすぎていたものが適正水準に戻った分もかなり含まれるのです。
これに対して修繕工事は、建物や設備の不具合を直したり、新築当初の性能・状態に戻すために行ったりするものです。工事の規模がずっと小さく、また特に重要なのは管理組合が費用を負担するとうい点です。
そのため、新築工事と比べると利幅が大きく、これまでもさほど安くなっていたわけではありません。

注意すべきは、新築工事費が上昇しているのを口実に、修繕工事費についても値上げする動きが出てくることです。
割高な修繕工事の見積もりが増える可能性は十分あると思います。
これから修繕工事を行うマンションでは、見積もりのチェックが重要になります。
専門家をぜひ活用すべきだと思います。