ソーシャルジャジメントシステム 廣田晃崇のマンション管理ブログ 夢はでっかく根はふかく

マンション管理BLOG 夢はでっかく 根はふかく
 
アーカイブ
201901271 第52回
区分所有者の無関心D
 大規模修繕工事を巡る悪質コンサルの問題
20181201 第51回
区分所有者の無関心C
 管理委託費の値上げラッシュが近づいている
20181104 第50回
区分所有者の無関心B
 管理組合の財務状況を知らない
20181014 第49回
区分所有者の無関心A
 長期修繕計画の収支バランスを
 気にしていない
20180930 第48回
区分所有者の無関心@
 修繕積立金の値上げ予定を知らない
20180916 第47回
マンション管理で一番の問題は
 所有者の「無関心」
20180916 第46回
分譲マンションでの民泊をめぐる
 訴訟について
20180817 第45回
分譲マンションにおける民泊新法への対応
20180801 第44回
マンション管理業者の
 「ネガティブ情報」とは?
20180801 第43回
管理会社の多くがリプレイスに積極的!
20180701 第42回
日経が報じた「マンション75%修繕不安」
 の実態
20180701 第41回
最新管理戸数ランキングに見る業界トレンド
20180522 第40回
マンション管理のサポート現場から
 お伝えしていきます
20160228 第39回
「日経ビジネス」の特集記事で
 弊社会長のコメントが紹介されました
20160214 第38回
新しいマンション管理MOOKが発売されました
20160107 第37回
2016年もよろしくお願いいたします
20151114 第36回
横浜市都筑区のマンション問題について
過去のブログはこちら
 
第8回
マンションによっては
壁に亀裂が入りやすい不具合が隠されていることがあります
 

明けましておめでとうございます。
SJS社長の廣田晃崇(ひろた てるたか)です。
本年も「マンション管理ブログ」をよろしくお願いいたします。

前回は、外壁タイルの「浮き」の問題を取り上げました。

外壁のタイルについては「浮き」のほか、「割れ」や「欠け」が発生することもあります。

特に、注意しなければならないのは、それほど大きな地震でなくても、あるいは特に変わったこともないのに、コンクリートにひび割れが起こり、そのため外壁表面のタイルまで割れてしまう場合です。

もちろんいろいろなケースがあり、一概に「こうだ」とは言えませんが、コンクリートにひび割れが起こる原因のひとつとして、「スリット」や「誘発目地」が設計通り設けられていないことが挙げられます。

多くのマンションでは、一部の耐力壁を除くと、外壁は建物を支えたり、地震に耐えたりする役目が期待されていない「雑壁(ざつかべ)」と呼ばれるものです。

「雑壁」には設計上、ある程度大きな地震が来たとき、揺れのエネルギーを重要な躯体部分から逃がすための「スリット」(切れ目)や「誘発目地」(細長い凹み)が設けられます。

具体的に、「スリット」は壁と柱や梁、床が接するところに設け、揺れのエネルギーが柱や梁に集中しないようにします。

「誘発目地」は壁の縦方向、横方向それぞれに一定間隔で設け、ひび割れをそこに集中させることで、あちこち不規則にひび割れるのを防ぎます。

いずれも、大地震の際の被害をなるべく抑え、被害が発生しても比較的簡単に補修できるようにしておくための工夫なのです。

もし、「スリット」や「誘発目地」の位置が設計と異なっていたり、あるいはなかったりしたら、外壁のあちこちに不規則にひび割れが起こったり、小さな地震でも大きな損傷が発生したりします。

こうした「スリット」や「誘発目地」の不具合も、「アフター点検」で発見すれば補修を要求することができるのです。

弊社の一級建築士がサポートしたあるマンションでは、「スリット」の一部が壁に入っていなかったため、建設会社と折衝の上、後から「スリット」を設ける工事を行いました。

「アフター点検」にはぜひ、専門家の経験と知恵を活用すべきだと思います。