ソーシャルジャジメントシステム 廣田晃崇のマンション管理ブログ 夢はでっかく根はふかく

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 大規模修繕工事を巡る悪質コンサルの問題
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20180930 第48回
区分所有者の無関心@
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マンション管理で一番の問題は
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マンション管理業者の
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第6回
「竣工図」の問題に気づくのも
アフター点検の大きなメリットです
 

こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろた てるたか)です。

これまで新築マンションにおける「アフター点検」の重要性をお話してきましたが、今回は別の角度から「アフター点検」について考えてみたいと思います。
それは、「竣工図(しゅんこうず)」の問題です。

「竣工図」をみなさんはご存知ですか?

建築関係の方ならお分かりでしょうが、一般の方はおそらく聞いたこともないのではないかと思います。

建築工事では通常、設計段階で「設計図」、工事にあたって「施工図」、さらに、完成後に「竣工図」、というように大きく分けて3回、図面を作成します。

「設計図」はほとんどの方がお分かりでしょう。どんな建物をつくるのか、デザインや構造、仕上げなどについてまとめた図面です。建築確認という公的な許可をとるために必要ですし、販売にあたってパンフレットや広告などをつくる元資料にもなります。

「施工図」は、「設計図」に基づいて実際の工事を行う際に作成する、より詳細な図面です。

建築物は工業製品などとは違い、ひとつひとつ現場において特注でつくられるものです。そのため、「設計図」をもとに細部をどうするのか設計者と施工者が打合せし、施工者において作成するのが「施工図」です。

実際の工事は「施工図」をもとに進められますが、ときにはその通りにできないこともあり、その場合は変更が生じます。
変更の程度によっては、役所に変更申請を行ったり、確認申請そのものを出しなおさねばならない場合があります。

こうして工事が終了したら、当初の「設計図」に対してその後の変更などを加え、実際にできあがった建物の現状をきちんと反映した図面として「竣工図」を作成するのです。

つまり、実際にできあがった建物の正確な状態を示すのが「竣工図」であり、マンションの資産価値を維持するために購入者のみなさんが管理組合として取り組む「マンション管理」のベースになるのが「竣工図」なのです。

ところが、この「竣工図」に重大な欠陥があるケースがあります。

「竣工図」は通常、新築マンションの引渡し後、管理会社を通して管理組合(理事会)に引き渡されるのですが、その「竣工図」をよくチェックすると、実際の建物の現状と合っていない箇所があったりします。

当然、違いの理由を確認し、「竣工図」と建物のどちらかを直す必要があります。

ひどいケースでは、「設計図」をそのままコピーして表紙だけ「竣工図」に変えていることがあります。理由はよく分かりませんが、きちんとした「施工図」を作成していないか、あまりに変更が多すぎたか、あるいは単に手間を省いただけかもしれません。

最近、見かけるのが、「竣工図」の図面で、天井高などの寸法が入っていないケースです。もともと「設計図」には全て寸法が入っているはずなのですが、わざわざそれを消しているのです。また、「建具表」等の改修で重要となってくる図面が省略されているケースもまま見られます。

こうした場合、管理組合が独自に改修計画を立てたり、チェックしたりする際に大きな支障が生じるケースがあります。

建物の現状がさっぱり分からない竣工図なんて、「○○を入れないコーヒー」という感じでしょうか(笑)。

こうした手抜きの「竣工図」に気づくためにも、第三者的な立場にある経験豊富な建築士による「アフター点検」が有効なのです。