こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろた てるたか)です。
今回は、当社がこれまで新築マンションの「アフター点検」をお手伝いした中で経験した、いくつか事例をご紹介しましょう。
●竣工後2年目に近づいたマンションで、外壁タイルの一部を試しに打診(先に小さな金属球のついた打診棒で軽くたたくこと)してみたところ、面積の割合でいうと2割ほどで浮きがみられました。売主の不動産会社と工事を担当したゼネコンに指摘したところ、「具体的に問題のある箇所は補修するが、こちらで調査はしない」との回答でした。また、目地のところなど補修が面倒な箇所は「地震の影響」として補修を拒否されました。そこで管理組合の依頼で当社がすべての壁面を調査し、補修個所、補修方法についてもアドバイス。調査費用等は補修費用に含むことになりました。
●竣工から1年ほどのマンションで、隣戸との間のコンクリート壁(戸境壁)に貼ってあるクロスが、天井のあたりからひび割れているのが見つかりました。当社の一級建築士が非破壊検査で調べたところ、壁の隅部に入っているはずの補強筋が入っていないことが判明。他の住戸も念のためすべて調べた上で、施工を行ったゼネコンと交渉し、炭素シートによる補強を行いました。
●竣工から1年半ほどのマンションで、室内扉のノブのメッキがはげてきたので売主の不動産会社に問い合わせたら「漂白剤がついた手で触ったのでは?」という答えでした。当社が「アフター点検」サポートで全住戸に聞き取り調査したところ、8割ほどで同じ現象が発生していることが判明。ドアノブのメーカーに確認したところ不良品と分かり、全部交換することになりました。
●当社の一級建築士がエントランスの車寄せをチェックしていたら、床タイルにひび割れを発見。タイルメーカーに問い合わせたところ、不良品と判明して全面張り替えすることになりました。指摘していなかったら将来、経年劣化などの理由にされ、管理組合の負担で張り替えなければならなかったでしょう。
●入居してすぐ室内(専有部分)の床鳴りがひどいので、購入者が売主の不動産会社に連絡しました。担当者は「夏になったら床をはがして調べます」といい、夏になったら「冬にやりましょう」と答え、最後には「そんなこと言ってません」と開き直る始末。「アフター点検」の際、当社の一級建築士が原因を調べ、不動産会社、ゼネコンと交渉して補修工事を行うことになりました。
何度も言うように、どんな有名大手不動産会社が売主でも、どんなスーパーゼネコンが工事を担当していても、新築マンションには大小の不具合が必ずあります。
大事なのは、「アフター点検」でそれを見つけ、「アフターサービス」できちんと直してもらうことです。「何かおかしいな」というだけでほおっておくと、あとで大変なことになりかねません。 |