修繕積立金が不足している場合、管理会社はすぐ「値上げしましょう」と言ってきますが、ちょっと待ってください。管理に関する様々なコストに見直しの余地がないかどうかを考えるべきです。
代表的なのが管理委託費です。毎月の管理費のうち、大部分は管理会社に管理委託費として定額で支払われています。その内訳や金額をチェックすると、見直しできる部分が少なくありません。管理会社の多くは売主の子会社であり、選定にあたって競争原理が働いていないからです。
例えば、1戸あたりの管理費が2万円、修繕積立金が1万円とし、修繕積立金は本来1万5000円が必要で5000円が不足と仮定しましょう。
もし、管理費を3割削減できれば6000円が浮くことになり、それを修繕積立金に回すことで本来、必要な分を確保できます。
逆に、大規模修繕工事の間際になってそれまでの不足分をカバーしようとすると、数十万円の一時金を集めるか、管理組合として銀行などからローンを借りる必要が出てきます。
資金不足で必要な補修工事をしなければ、それこそ建物や設備の傷みが進み、資産価値や住み心地にも影響しかねません。
修繕積立金の不足は多くの分譲マンションで共通する問題になっています。早めに気づき、対策をとることは、マンションの居住性を維持し、大切な資産価値を守ることに通じます。大規模修繕工事が近くなってから慌てるのではなく、なるべくできるだけ早い時期から取り組んでください。 |