マンション管理は特に設備投資が必要というわけではなく、比較的新規参入しやすい業界です。
そのため、2000社を超える登録業者がいるのです。
ただ、それらも生い立ちによってデベロッパー系、ビルメンテナンス系、独立系などいくつかのタイプに分けられます。
デベロッパー系は主に、デベロッパー(不動産会社)の管理部門が分離独立してできたところです。
親会社が販売したマンションの管理を安定的に受注できるため大手が多く、名前を知っている会社も多いのではないでしょうか。
また、当該マンションの設計や建設に関する情報を入手しやすいとされます。しかし、逆に資本関係上、親会社の意向に左右されやすく、管理組合ではなく親会社の利益を優先するケースも見られます。
ビルメンテナンス系は、オフィスビルのメンテナンス業から展開してきたところです。
そのため、建物・設備のハード面に関するノウハウや専門スタッフが豊富ですが、他方、管理組合の運営サポートなどソフト面はやや弱いようです。
独立系は、特定のデベロッパーの系列に属さないところです。
系列管理会社を持たないデベロッパーから受注したり、リプレイス(管理会社の交替)を仕掛けたりすることで、事業を拡大してきました。
低価格をセールスポイントにしているところが多く、立場も中立的といえるでしょう。
ただ、無理な低価格で業務の質が伴わなかったり、大規模修繕など工事の受注狙いといった面があったりするのが気になります。
なお、以上はあくまで個別のケースをもとにした一般的な傾向であり、たとえば同じデベロッパー系でも個々にみると違いがあります。
その点はよくご理解ください。 |