ダイヤモンド社から 『新版マンション管理はこうして見直しなさい』 に込めた思い
前著の『マンション管理はこうして見直しなさい』が出版されたのは2005年5月のことでした。
当時はまだ、マンション管理の重要性はいまほど認識されていなかったように思います。問題意識の高い管理組合のみなさんから少しずつ、管理会社の業務内容のチェックや管理費、修繕積立金の見直しに取り組み始めていた状況でした。
それ以来、マンション管理の世界では様々な事件や変化がありました。
例えば、2005年11月に「耐震偽装事件」が発覚。現行の耐震基準に満たない分譲マンションが販売されていたことで大騒ぎになり、マンションの耐震性に対する関心が高まりました。
2011年３月には「東日本大震災」が発生しました。首都圏では低地や海沿いなどで液状化現象が起こり、水道やガスなどがストップ。分譲マンションでも自然災害への備えの重要性がクローズアップされました。自然災害の影響については、2019年秋の大雨による浸水被害も記憶に新しいところです。
その他、2015年秋に発覚した横浜の「傾斜マンション問題」。売主の負担で全棟建て替えということになりましたが、改めて分譲マンションにおける欠陥や不具合にスポットライトが当たりました。
さらに昨年くらいから注目されるのは、管理委託費の値上げや修繕積立金不足による管理組合の財務状況の悪化です。今回のコロナショックで収入が大幅に減ったご家族も多いでしょうが、そうした中で管理費や修繕積立金の値上げは深刻な問題です。
こうしたマンション管理を巡る様々な問題を踏まえ、また当社の経験やノウハウをもう一度、分かりやすい形で一冊にまとめたのが『新版マンション管理はこうして見直しなさい』です。
まだまだ書ききれなかったこともたくさんありますが、初めて分譲マンションを購入された方や、マンション管理にはこれまで無関心であったような方にとって、特に分かりやすく、マンション管理に関する基本的なポイントを分かりやすく整理しました。
もちろん、それぞれのマンション、管理組合によって置かれた状況、直面する問題は様々でしょう。ただ、基本的なポイントを理解しておくことで、解決の糸口や方向性が見つけやすくなるはずです。ぜひ参考にしていただければ幸いです。
また、疑問や質問があればぜひ、気軽にお問合せください。