なかなか進まないマンションの建て替え
こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろたてるたか)です。
最近の国土交通省の資料によると、全国のマンションストック総数は約613万戸(平成26年末時点)だそうです。ほかにも、次のようなデータや分析が公表されています。
http://m-saisei.info/aboutus/katsudoureki/kouenroku/2015/shiryou2015_kokudokoutusyo.pdf
●約613万戸のうち、旧耐震基準で建てられたものは約106万戸
●築後40年超のマンションは現在51万戸で、10年後には約3倍の151万戸、20年後には約6倍の296万戸になる見込み
●その一方で、マンションの建て替え工事を完了したケースは累計でわずか196件、約1万5500戸(平成26年4月時点)
●建て替えが進まない主な理由は、
1.組合において権利者相互の意見・権利を調整する負担が大きいこと
2.容積率に余裕がないため、建て替え費用が回収できず、経済負担が大きいこと
国ではマンションの建て替えを促進するため、いろいろな法律や制度を整えてきていますが、データをみる限り、マンションの建て替えはなかなか進んでいません。
前々から言われてきたことですが、分譲マンションの建て替えは極めて難しく、今後もごく一部の立地条件などの良好なマンションでないと無理でしょう。
そうなると、現実的な対応はとにかくいまあるマンションの維持管理をしっかり行い、少しでも長く住み続けられるようにすることです。
築年数が経つにつれて維持管理のためのコストがかかりますから、管理組合の収支を早めに見直して余裕資金を確保することも重要です。
築20年、30年になってから慌てるのではなく、それこそ分譲直後から建物や設備の不具合や管理のコストをきちんとチェックし、将来に備えることが望ましいでしょう。
「建て替えなんてずっと先のこと」と思わないことです。
建て替えをできるだけ先延ばしする取り組みは、いま直ぐ始めるべきです。
そうした取り組みのため、専門的な第三者のサポートをぜひ上手に活用してほしいと思います。