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タイルの「浮き」は、アフター期間の後でも補修請求できることがあります

株式会社ソーシャルジャジメントシステムSJS社長ブログ タイルの「浮き」は、アフター期間の後でも補修請求できることがあります

タイルの「浮き」は、アフター期間の後でも補修請求できることがあります

こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろた てるたか)です。

アフター点検で発見される不具合で、最近増えているのがタイルの「浮き」です。

これは文字通り、タイルがコンクリートの壁から浮き上がった状態になり、ほおっておくと落下したりします。万が一、通行人に当たったりしたら、おおごとです。

かつて、マンションの外壁は「吹きつけタイル」と呼ばれる仕上げが一般的でした。

これは「タイル」とはいうものの、樹脂に細かく砕いた石材等をまぜて外壁に吹き付けるもので、定期的に塗り替えが必要です。

一方、タイル貼りは塗り替えが不要で見た目にも高級感があり、10年ほど前から急速に広がりました。

いまでは、分譲マンションの外壁といえば、タワーマンションなど一部を除いてタイル貼りが当たり前になっています。

外壁のタイル貼りは、丁寧に施工すれば、時間経過とともに接着強度が増し、半永久的に持ちます。

施工のやり方は、概ね下記のようになっています。
1)壁のコンクリート表面についた剥離剤(はくりざい)を落とす
2)コンクリート表面を少し削り、凹凸をつける(目荒らし)
3)下地用のモルタルを薄塗りする
4)タイルを下地用のモルタルに圧着する

タイルの浮きが発生するのは、この施工のどこかに問題があるからです。

特に広い面積にわたって浮きが発生するケースは、1)と2)に問題があるとみて間違いないでしょう。

1)の剥離剤というのは、コンクリートを流し込む型枠の表面に塗って、コンクリートが固まった後、型枠をスムーズにはずせるようにするため使われます。

型枠に接していたコンクリートの表面に剥離剤が残っていると、下地用モルタルごとタイルが浮いてくるのです。

2)の目荒らしが不十分な場合も同じで、下地用モルタルと壁のコンクリートの接着が弱く、下地用モルタルごとタイルが浮いてきます。

1)と2)が重なったような「手抜き」レベルになると、竣工から1年もたたないうちに外壁のあちこちで浮きが発生し、最悪、タイルが落下したりします。

注意が必要なのは、施工不良ではあるものの、それが部分的であったり、程度がさほどひどくない場合です。

そういう場合、何年かかけて徐々に「浮き」が生じ、居住者の方たちが気づくのは竣工から10年近く経っていることもあります。

売主の不動産会社や工事を行ったゼネコンに問い合わせると、アフターサービスの期間を過ぎていることもあり、「経年劣化で仕方ない」とか「地震の影響だ」といった言い訳をよくします。

建築について詳しくない管理組合(理事会)であれば、「そんなものか」と諦めて補修工事を自分たちの費用負担で行ったりするかもしれません。

当社では、こうしたケースのご相談に対し、経験豊富な一級建築士が現地調査の上、いろいろアドバイスやサポートを行っています。

最近も、1万枚以上のタイル貼り替えをゼネコンの負担で行うことに成功したマンションがあります。

アフターサービスの期間が過ぎていても、諦めることはありません。