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アフター点検をきちんと行うのは第1期、第2期理事会の責任です

株式会社ソーシャルジャジメントシステムSJS社長ブログ アフター点検をきちんと行うのは第1期、第2期理事会の責任です

アフター点検をきちんと行うのは第1期、第2期理事会の責任です

こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろた てるたか)です。

前回、分譲マンションでは新築時に多かれ少なかれ不具合があること、そうした不具合を「アフターサービス」で補修するのは当たり前でありかつ不可欠であることを述べました。

実際に「アフターサービス」による補修をきちんと行うのに欠かせないのが、「アフター点検」です。

「アフター点検」とは、アフターサービスの対象となる不具合を拾い出すための点検のことで、通常は引渡し1年後および2年後のタイミングで、管理会社がアンケート用紙を配布したりして行われます。

各住戸の室内(専有部分)については、所有者のみなさんがチェックすればいいのですが、問題は外壁、屋上、エントラスホールなどの共有部分です。こうした箇所は、管理組合の理事会がチェックし、売主である不動産会社と交渉することになります。

この「アフター点検」を適切に行わないと、不具合についての責任の所在などが曖昧になり、所有者や管理組合が自費で補修しなければなくなります。

また、特に共用部分の不具合を放置しておくと、建物の劣化が早く進むといったリスクもあります。 万が一、外壁タイルが落下して通行人が怪我をしたような場合、建物の所有者として管理組合が損害賠償責任を負わなければならないことにもなりかねないのです。

 

そういう意味で、共用部分の「アフター点検」はマンション全体の資産価値に直結するきわめて重要な作業です。

このことは、共用部分の「アフター点検」を実質的に任される1期目、2期目の理事会役員のみなさんが非常に重要な責任を負っていることを意味します。

しかし、ここで問題なのは、建物や設備の不具合をチェックして発見するには、それなりの専門知識と経験が必要なことです。誰が見ても分かる異常だけでなく、「本来はこうあるべき」という状態が分かっていないと、不具合かどうかの判断さえできません。

ところが、多くのマンションでは管理組合の理事に建築や設備の専門家がいるケースは稀です。通常は素人の人がほとんどでしょう。

その分、管理会社が間に入ってサポートする建前になっていますが、管理会社の担当者(フロント)も建築に詳しいとは限りません。むしろ、知らないことが一般的です。

また、管理会社は通常、そのマンションの売主である不動産会社の子会社であったり、取引関係にあったりするため、管理組合の側より不動産会社の側に立つ傾向があります。

以上のことから、私は管理組合の理事会が「アフター点検」を適切にやろうとするなら、専門的な第三者の力を借りるべきだとだと考えています。それも、マンションの「アフター点検」の経験豊富な建築士のいるところがお勧めです。

多少、費用はかかりますが、売主である不動産会社に客観的な証拠を示し、建築や設備についての専門的アドバイスをもとに交渉することができるメリットは計りしれません。

近年、新築マンションが完成した際の「内覧会」に専門家を同行させてチェックする購入者が増えていますが、「内覧会」でチェックするのは室内のみ。それも仕上げをチェックするだけで、建物の構造など共用部分はノーチェックです(共用部分はそもそも引渡し前に購入者がチェックすることは不可)。

結構、高い費用(一戸あたり)をかけながら、「内覧会」のチェックはマンションの資産価値の維持にどれほど効果があるのでしょうか。

それよりは「アフター点検」を専門的な第三者に依頼し、しっかり行ったほうがよほど費用対効果は高いと思います。