管理規約と一緒に使用細則にも注目を。
管理規約は「マンションの憲法」といっても、あまり細かいことまで決めるのは無理があります。
かといって、何か問題が起こるたびに総会などで解決しようとしても、機動的、効率的に対応できません。
日常生活における詳しいルールを定めたもの
そこで現在、様々な「使用細則」をつくることが広く行われています。
管理規約が基本的な管理のルールを定めたものであるのに対し、使用細則は日常生活における注意事項や共用部分・専有部分の使い方についてのより詳しいルールを定めたものというわけです。
これまで他のマンションで問題になったケースなどを参考にしつつ、あらかじめ使用細則としてルール化しておくことで、抑止効果が働きますし、問題が発生してもスムーズに処理できるでしょう。
実際の使用細則としては、表のようなものがあります。
デベロッパーや管理会社が、それぞれのマンションの特性に合わせてこうした使用細則を用意してくれればいいのですが、実際には必ずしもそうではありません。
管理規約と同じように、分譲時に予め一般的な案を作成し、書面によって一括承認をとっているからです。
使用細則が充実しているのが管理の良いマンション
したがって、後から自分たちで新たな使用細則をつくったり、内容を変更したりすることも考えてみましょう。
その場合、使用細則の対象によって、決める際の手続きが違います。
建物の共用部分や敷地、附属施設をどう使うかというルールについては、総会の普通決議(過半数)でいいでしょう。
しかし、専有部分の使用に対する規制などは、あらかじめ管理規約を変更(区分所有者及び議決権の4分の3以上の多数が必要)した上でなければならないと考えられます。
いずれにしろ、管理規約と使用細則は一体として考えるべきであり、使用細則が充実しているマンションは、基本的に管理が良いマンションといって差し支えないでしょう。
●使用細則の例
細則の種類 | 細則に定める内容 |
管理組合選挙細則 | 管理組合の役員の選挙に関する事項 |
会計処理細則 | 駐車場や集会所などの施設利用料の料金徴収方法など会計処理の詳細について |
管理費等の滞納の督促及び延滞均等の 徴収に関する細則 |
督促の手続き、延滞金の計算、督促、収納までの間に要した費用の徴収などについての必要な事項 |
管理組合業務委託細則 | 管理組合業務の一部を第三者に委託する場合の必要事項 |
諸届出に関する細則 | 長期不在の場合、賃貸する場合など、管理組合に対して必要な届出に関する事項 |
修繕委員会細則 | 計画修繕などを実施する場合に、理事会を補佐し助言する諮問委員会の設立・運営に関して必要な事項 |
駐車場使用細則・集会所使用細則・ 自転車置場使用細則 |
使用料を徴収して運営する施設(駐車場、集会所、自転車置場など)についての利用申し込み、使用方法、契約内容などに関する事項 |
ペット飼育細則 | 管理規約でペットの飼育を認める場合に、動物の種類及び数の制限、管理組合への届出、飼育方法等の事項 |