分譲マンションの権利関係は一戸建てなどとは違います。
当たり前のようですが、マンション管理で問題になるのは「分譲マンション」です。
賃貸マンションの場合は、オーナーが土地、建物を全て所有しており、話は簡単です。
分譲マンション独自の「区分所有」という考え方
これに対して、分譲マンションでは建物の権利関係が独特です。
その権利関係を「区分(くぶん)所有(しょゆう)」といいます。
ちょっと聞きなれない言葉ですが、マンション管理を語る大前提がこの言葉です。
すぐには理解できなくても、この言葉だけは最初に覚えてしまってください。
法律にも『建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)』というものがあり、分譲マンションの権利関係の基本事項を定めています。
一棟の建物に権利関係の異なる部分が存在
では、区分所有とはどういうことでしょうか。
普通、宅地や一戸建てを買えば自分のものになり、その宅地や一戸建てを自由に使ったり処分したりできます。夫婦二人でお金を出して買えば共有となりますが、それでも二人だけのものです。
ところが、分譲マンションの場合、各住戸(101号室とか309号室と番号がつけられた室内)は自分のものになりますが、エレベーターや共用廊下、非常階段などは誰か特定の人のものとはいえません。
そういう部分は原則として、マンションを買った人たち全員の共有になります。つまり、ひとつの建物に、それぞれの購入者が所有する部分と、全員の共有になる部分が存在しているのです。
『区分所有法』では、ひとつの建物の中で前者にあたる部分を「専有部分」、後者にあたる部分を「共用部分」と呼びます。
そこで問題になるのが、専有部分と共用部分の区別や関係をどうするのか、共用部分の維持・管理のルールや費用負担をどうするのか、ということです。
これが、マンション管理の原点です。
●分譲マンションと一戸建てなどの権利関係の違い
分譲マンション
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賃貸マンション・一戸建て
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土地
(敷地) |
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建物
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維持管理
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