マンション管理のトラブルの傾向を知っておきましょう。
マンションは規模の大きな建物に多くの居住者が暮らすだけに、ハード面(建物や設備など)、ソフト面(暮らし方やお金など)ともに、いろいろなトラブルが起こりがちです。
9割以上のマンションに何らかのトラブル
国土交通省の『平成15年度マンション調査』によると、「特にトラブルを生じていない」とするマンションは平成5年度の調査以降減少傾向にあり、平成15年度は約7%に過ぎません。
逆にいえば、9割以上のマンションは何らかのトラブルを抱えているのです。
トラブルで最も多いのは、「居住者間のマナー」(83.3%)です。
具体的には、「違法駐車・駐輪」「生活音」「ペット」が3大トラブルといわれ、それぞれ5割前後を占めます。
そのほかにも、「共用廊下への私物の放置」「バルコニーの使用方法」などがあります。
続いて、水漏れ、雨漏りなど「建物の不具合」(54.8%)も多くなっています。
5.3%に過ぎませんが、「外壁落下」は極めて危険です。
また、「費用負担」に関連したトラブルでは、「管理費等の滞納」だけで40.4%あり、深刻な問題になっていることがうかがえます。
なお、「その他」(33.5%)が今回調査では急増していますが、これはピッキングやサムターン回しなど「防犯対策」によるものです。
話し合いで処理が80%
こうしたトラブルの処理方法では、「管理組合内で話し合った」が約80%でもっと多く、続いて「マンション管理業者に相談した」、「当事者間で話し合った」が続きます。
訴訟や民事調停に及ぶケースも合計10%以上あり、深刻化しているケースは意外に多いようです。
● トラブルの処理方法(重複回答あり)
管理組合内で話し合った |
80.7%
|
マンション管理業者に相談した |
50.0%
|
当事者間で話し合った |
36.7%
|
弁護士に相談した |
11.5%
|
訴訟によった |
8.3%
|
マンション管理センターに相談した |
3.4%
|
民事調停によった |
3.2%
|
地方公共団体に相談した |
1.4%
|
国に相談した |
0.3%
|
高層住宅管理業協会に相談した |
0.3%
|
マンション管理士に相談した |
1.0%
|
その他 |
8.6%
|
資料:「平成15年度マンション総合調査」