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理事会サポートの現場から(3) 災害対策の考え方とやるべきこと

株式会社ソーシャルジャジメントシステムマンション管理の基礎知識 理事会サポートの現場から(3) 災害対策の考え方とやるべきこと

理事会サポートの現場から(3) 災害対策の考え方とやるべきこと

分譲マンションの管理組合向けコンサルティングのパイオニアであるソーシャルジャジメントシステム。
これまで20年以上、多くの管理組合とその理事会をサポートしてきました。
私たちが実際に行っているサポート事例をご紹介します。

毎年のように全国各地で大きな地震や洪水、突風などの災害が発生しています。マンションは戸建てに比べれば災害に強いほうですが、それでも普段からの備えは欠かせません。
マンションの防災対策でよくご相談を受けるのが、防災備蓄品が期限切れを迎える際の対応です。
多くのマンションで、「同じものを再購入するか」「購入品を変更するか」「そもそも購入し続けるのか」の議論が必ず出てきます。
これは「要不要」の判断自体を考え直さないといけないことに気付くタイミングでもあります。
結論から言えば、各個人では所有することがほぼないであろうと思われるものこそ管理組合で所有しておくべきです。
それ以外の〝消えモノ〟は各戸の自助で所有してもらう方が良いという結論に至ることが多いです。
備蓄品の検討とともに、私たちからは以下のような助言をよくします。

①被災時の生活ルールを決めておくこと

 例えば、被災するとゴミ収集車がスケジュール通りには来ないケースも想定されるので、「被災時には粗大ゴミは出さない」などと決めておきます。
トイレの使用についても、地震の場合は排水管が損傷していることも想定されるので使用禁止にします(場合によっては1階住戸のトイレから逆流します)。使用再開の前には、排水管がどのようになっているかの確認は必須です。

②排水ルート、電気室、受水槽等のインフラ設備は災害時に使用できる否かの確認必須

 ①にも関連しますが、排水管のルートや電気室、受水槽等のインフラ設備について、災害時に使用できるかどうかを確認しておきます。
 例えば、受水槽については停電で給水ポンプなどが停止しても、タンク内の水を利用できるので、事前に水道局への届出や取水口の設置などの準備をしておきましょう。

③備蓄品倉庫の鍵が保管されている管理員室へ入室するための鍵を誰が持っておくか

 管理員室には備蓄品倉庫の鍵のほか、マンション全体の管理に関係する電源スイッチや警備盤、備品倉庫のなどがあり、災害時に入室できないと初期対応が十分にできません。
管理員室の鍵は、管理会社のほか理事長など複数の役員が保管し、いざというとき対応できるようにしておきましょう。

④万一の際に備蓄品の配布をどうするのか(誰が、何を、どれだけ、どのように)

備蓄品を買い揃える場合は、配付方法を予め決めておく必要があります。
ただ、地震等の災害発生時には、配付業務の中心となる理事会役員も被災者であること、管理会社担当者やマンション現業員も被災者であることを念頭に、〝自助〟が基本になることは周知しておきましょう。
例えば、災害用トイレなどの個人で利用する備蓄品は、被災時に配付するより事前に配付しておくことを検討すべきです。被災した時、マンションとは言え他人のことより自分の家族を守ることが優先されるのは当然です。

⑤情報共有の方法

被災時には、居住者の安否や被害状況などの情報を集め、管理組合として共有することがとても大切です。誰が、どのように行動するのか、事前に取り決めやルールを設け、例えばエントランスにホワイトボードを設置して掲示したり、SNSで配信したりするようにしておくとよいでしょう。