第3回:分譲マンションを買うとあなたも自動的に「管理組合」のメンバー
マンションの建物には「専有部分」と「共用部分」があり、「専有部分」は各購入者(所有者)がそれぞれ自分で管理するのに対し、「共用部分」は購入者(所有者)全員で管理します。
この「共用部分」のほかマンションでは敷地も共有であり、こうした共有の財産を維持管理するために存在するのが「管理組合」です。
この点について、分譲マンションの基本的な権利関係を定めた区分所有法では、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成」するとしています(第3条)。
お分かりの通り、この「団体」が管理組合です。
「組合」というとついなんとなく、入るかどうかは自由というイメージがあるかもしれません。
確かに、分譲マンションを買うかどうかは自由です。また、管理組合とは別に自治会が存在するマンションもあり、自治会へ加入するかどうかは任意です。
しかし、管理組合については、分譲マンションを買うと自動的にメンバーになるというのが法律上のきまりです。
そして、マンションの区分所有者である限り、管理組合から脱退することはできません。逆に、区分所有者でなくなった人は組合員の資格を失います。管理組合はメンバーが変わっても、マンションが区分所有されている限りは原則、存在し続けるのです。
なお、細かいこというと、たとえば50戸ある分譲マンションを資産家が全戸購入した場合、建物も敷地も一人の単独所有であって、複数の所有者による区分所有関係がありません。ですので、管理組合も存在しません。
しかし、50戸のうち1戸だけ別の人が購入した瞬間、そのマンションには区分所有関係が成立し、管理組合は法律上当然に生まれます。
管理組合のメンバーになるなんて、なんだか面倒だと感じる人もいるでしょう。
しかし、逆に言うと管理組合のメンバーだからこそ、自分が所有し居住するマンションの維持管理に関わる権利があるのです。
家族の生活の拠点であり、また大切な財産でもあるマンション。その居住性と資産価値を守っていくのは、管理組合を構成する一人ひとりのメンバーにほかなりません。
そのために、区分所有者としての権利をぜひ適切に活かしていきたいものです。